100万円以上する羽毛布団をあけてみた。

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「季節の変わり目には気温の変化が激しいので体調には気をつけて下さいね。」

…と、お客様に毎日にように言っておりましたが、見事に自分が体調を崩してしまい会社を2日間休んでしまいました。

やっぱりお腹を出して寝てはいけませんね。

おかげで体重が3kgも落ちるという副産物もあり、喜んでいる自分もいます(笑)

今年は何なかと体調を崩しがちなので、過ごし方を考えないといけないですね。

 

こんにちは。睡眠屋の小寺祐也です。

皆さんは羽毛布団の値段といったらいくら位を想像するでしょうか?
毎週のように入る量販店のチラシには格安の物が多いので、1万円~3万円くらいの感覚を持たれている方は多いのではないでしょうか。

 

羽毛布団が100万円!

 

といったら、どんな気持ちになりますか。

「そんなものあるわけない!」 「悪徳商法?」

いえいえ、各メーカーちゃんと実在します。

今回は極寒の地域に生息する、羽毛布団の中でも一番価値の高い「アイダーダックダウン」のリフォーム依頼がありましたので、レポートしたいと思います。

 

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アイダーダウンとは?

アイダーダウンとは、アイスランドの海岸線に生息している「アイダーダック」という野鳥の巣から採取された世界最高峰のダウンのこと。
「羽毛の宝石」と呼ばれるアイダーダウンは、年間の生産量も極めて少なく、とても貴重な羽毛になります。
見た目の色が茶色いので、安価な羽毛と勘違いしそうですが、とても大きいダウンボールの1粒1粒が絡み合い、その保温力は他の羽毛とは比較になりません。

 

 

一生物として大切に使おうと、10数年前にアイダーダックダウンの羽毛布団を選ばれたというS様。

最初はとても軽くて保温力もあり、とても満足して使用していたらしいのですが、10年を過ぎたあたりから何となくボリュームがなくなり、暖かさが変わってきたとの事でした。

高価な物なので買い直すわけにもいかず、どうしたらいいのか分からないので見立ててほしいとの事。
当店の得意分野ですので、S様と一緒に、羽毛布団の状況をみて判断する事にしました。

 

10年以上使っているとはいえ、100万円以上の商品ですのでいささか緊張します。
まずは一番汚れているであろう襟元に羽毛が取り出せるくらいの口をあけて、中から羽毛を取り出してみます。

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でました!これがアイダーダックダウンです。

羽毛は白くてフワフワしているイメージがあるかと思いますが、アイダーダウンは茶色で、ダウンボールが大きくまとわりつくので生地から出してもフワフワとばらけることがありません。

 

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取り出した量は2g。価格から割り算するとこれでも結構な値段になるんですよね。

 

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取り出した羽毛を分かりやすいように筒に入れてみました。
これだけを見ると、いいのか悪いのかさっぱりわからないので、当店にある新品のアイダーダックダウンと比較してみる事にしました。

 

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左側が新品のアイダーダウン、右側が取り出したアイダーダウンです。(どちらも2g)
10年以上使用したアイダーダウンは、新品と比べると同じ2gでもボリュームは半分以下のようです。

これは、寝返りなどでダウンが徐々に破損し、本来のふくらみがでないためです。いわゆるファイバー化ですね。
また、毎日の汗や油分などで羽毛そのものがベタついたりするのも大きな原因のひとつです。

かさ高だけでなく、羽毛の絡み具合がどうなのかも見てみましょう。

いかがですか?

べとついて絡まってしまった羽毛は落下が早いですね。かさ高が出ないと、せっかくのいい羽毛も保温の面では充分な力を発揮できなくなります。
この絡まりをほどき、汚れをキレイに取り除いてやれば、また長年快適にご使用になれます。

絡まりと汚れは充分回復するレベルでしたので、S様と相談の上今回はリフォームする事にしました。

アイダーの場合リフォームの内容が一般的な羽毛布団より特殊になりますが、リフォーム価格は新品の購入と比べて約3分の1ですので、価値を考えると是非是非リフォームすべき羽毛になります。

「どうしたらいいのか分からないので見立ててほしい」というご要望は、多くのお客様が言われます。

布団について普段から勉強されている方は少ないと思いますので、迷われたらお気軽にご相談下さい。

私たちが適切なご提案をさせて頂きます。

 

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